カバーデザインのこと(その2)

 まったくの持論だが,装丁家はなるべく絵の描ける方がいいと思っている。さらにはグラフィックデザインの経験もある方がいい。もちろん中には例外もあるけどね。
 文字の組み版のプロフェッショナルと,装丁デザインの両立ができる人は本当にスゴイデザイナーだと思う。それゆえ編集の現場では,文字組みのプロとグラフィックのプロを選んで組み合わせて,本の制作を行うことが多い。これは一人に作業を集中させないというリスクヘッジの意味もある。初めてこの業界にはいったとき,カバーデザイナーと本文の組み版デザイナーが違うことに,違和感があったけど,今は分業しているほうがよいと思っている。ごく当たり前のことなのだけどね。
 さて,「小悪魔本」は,中身は繊細な組み版とレイアウトデザインを得意とする女性デザイナーさんに御願いした。これは前にも書いたけどBUCH+の伊勢さん。カバーデザインは,コミックの表紙装丁を多数行っている,しかも週刊漫画雑誌の仕事もしているロケットボムの簑原さんに10月ごろに御願いした。
 最初から,完成のイメージができていたのだ。僕の場合,最初にゴール(完成品の本)のイメージができていることが多い(企画書を書いている段階からかも)。