本ができあがるまで②

 本ができるまでの工程を少しお話しましたが,まだまだあります。今回は,一通りゲラの修正が終わった後の話です。いわゆる「入稿」と入稿後の話を書きます。
 今回は,著者校正を3回行いました。初校,再校,三校(念校)という段階です。ディレクターズの加藤社長がかなりの熱意で著者校正をかけてくれました。平行して村井先生には,PDFでゲラをお送りし,2回みていただきました。さらに念校のPDFも修正箇所の確認のためにお送りしています。さらには,ゴザ先輩(id:gothedistance)にも本文のゲラをみていただいております(感謝です)。そのかげで私もせっせと校正にはげみました。しかし,読み過ぎて,目が慣れてしまい思わぬミスもありました。そういう箇所は村井研究室の皆さんのバックアップが非常に助かりました。感謝の塊です。
 本書の裏側にはたくさんの関係者が支えているのです。流行りの言葉でいえば,aicoさんは「持っている」のです(実際モテそうですが……)。

 さて,1月某日にいよいよ原稿の入稿となりました。印刷所に渡すときに記念撮影をしておきました。

 CD-ROMには,CSのインデザインデータとイラスト画像スキャンデータが山ほど入っています。イラスト総数,実に300点以上です。すさまじいパワーがあります。1点ごとに,DTPデザイナーさんが線の細さを画像調整しながらそろえ,そして色をつけています。余談ですが,本文2C指定のとき,K(黒)インク以外をDICカラーで色指定するのですが,なにも打ち合わせしたわけじゃないのに,表紙の色指定とまったく同じカラーになるという奇跡が起きました。このときは非常におどろきました。もしかしたら小悪魔色があるのかもしれません。
 あと大事なのはプリントアウトした指定紙とよばれるものです(一番下で,はじめに,が見えています)。このとおり出力をしてください,という意味があります。印刷所のイメージセッターとプリンターでフォントなどの違いが出ることもあります(最近あんまりないですけど。クーリエ系のフォントはイメージセッター組み込みのフォントとかぶると出力が異なる場合があります)。
 向かって左がスペックシート(出力依頼票)と呼ばれる入稿環境を示したデータ票です。これには使用されているフォントや,組み版ソフトなどのバージョンなどが書かれています。
 そして向かって右が,台割りです。台割りは制作してくれるデザイナーさんが作ってくれる場合もありますが,なるべく担当編集が作ったほうがいいでしょう。私の場合は,エクセルでさっさと作っておきます。プリントするときに印刷のプロパティから1枚の紙に2ページ印刷するというふうに設定すると,柔軟な変更に対応できてなおかつキレイな台割りを作ることができます。ちょっとした技ですがお勧めです。
 おっとずいぶんと書きすぎました。続きはまた明日。

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